2018年8月2日木曜日

Self portrait #2 後半です。 着物の関わる資格は何も持ってません。というかあえて私の場合はそれを避けています。 それは私のいるメルボルンでは資格よりも今までやった仕事の作品や経歴が大事だと感じるからです。そして私はこれからもどんどん新しい自分独自の世界にチャレンジしたいと思っているので、もし何かの流派に関わっていたとしたらその先輩や先生方に背いたやり方になってしまったらご迷惑になるかもと、やることを躊躇するかもしれないと思ってしまうじぶんが嫌だからです。私が欲しいのは「修了書」と書かれた紙ではなく、知識と技術とセンスです。 なので自分がメルボルンでプロのスタイリストになりたいと思った時、日本にしばらく滞在してあえて資格を与えない優れた技術だけを提供してくれるプライベートの先生のところを選んでいくつか行きました。 もちろんその前から着物は大好きだったので、独学で振袖は着せられる技術は持っていましたが、細かい技術などは先生方から学んだことはたくさんあります。 今でも南半球で1人で孤独に勉強したり、帯結びの練習したりして、コツコツと頑張ってはいます。 最初は自分のことを知る人は誰1人としていませんし、「着物スタイリスト」なんて言葉も多分メルボルン初の人間なので。「なんじゃそりゃ?」で仕事なんてもちろんもらえません。なので最初はタダ働きをたくさんして自分をアピールです。「私こんな事できるんです!」てのをSNSなどを利用してモーレツアピールでした。だんだんタダ働きでやったスタイリングの撮影の写真が集まって それを発信してると、なんとなく人が集まって来て、なんとなく理解してくれる人が出て来ました。それでも今でも文化の違いで理解してもらえないことは多々あります。これはこれからの私にとっての課題ですね。 でもこれはかなり特例です。日本でスタートするとなったらまたかなり違うと思うのですが、あいにく日本で仕事をスタートしたのではないので、その辺はあまりアドバイスしてあげられません。ごめんなさい・・ それでも大きな会社とかに入らない限り、「着物スタイリスト」だけで食べていけるまで稼げるようになるにはかなりのとこまで行かないと無理かもしれません。私も販売やレンタル、色々やってるからまだ細々となんとかなってますが、全然今もこれからも金持ちにはなれそうな気がしません 笑 とにかく勉強だけでもそれなりに出費のある世界です。 んでもこんなの事言って負け惜しみに聞こえちゃうかもしれないけど、着物スタイリストとしてビジネスをスタートしてお金以外の素晴らしいものをたくさん得ました。 それは人との出会いです。この仕事を通して着物関係のみならず、世界中の素晴らしい才能を持った方々とたくさん出会うことができました。ただの1人のお母さんだった私の世界が一気に大きくなりました。そしてこんな私を応援してくれるお客様と仲間がたくさんできました。これは本当に幸せなことです。 そして着付けが終わったお客様が自分の姿を見てパッと笑顔になる時、自分の勧めた着物を嬉しそうに買って売れた時、「イエーーース!」と叫びたいくらい嬉しいです。なので結果私としては本当にやってよかったと思っています。 日本には素晴らしい着物スタイリストさんがたくさんいらしゃいますし、スタイリストさんのみならず、着物に関わる全てに素晴らしい技術を持った方がたくさんいるまさに海外にいる私から見たら着物のメッカです(当たり前だけど)。是非、雑誌でもネットでもいいので、着物に携わるたくさんの仕事をチェックして見てください。しれば知るほど着物は面白いです。私はしばらくはこんな南半球の片隅で多分細々と自分独自のやり方を模索して行くと思いますが、それはそれで、私も人生だと思って楽しんでやっていきたいと思います。 答えになってたかなぁ・・・ なってなかったらすいません。


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